test

ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おたくのジレンマ③「アイスブレイクがアイスブレイクにならない】

ワークショップに参加すると初対面の方と緊張を溶かすためにアイスブレイクという手法があります。 運動をする前に準備体操をしないと怪我をするリスクがあるのと同じようにワークショップもウォーミングアップをしないと怪我するリスクが高まりますよね。

社会に焦点をあてると、テレビのバラエティ番組では「前座」、音楽のコンサートでは「グッズの販売」はワークショップでいうアイスブレイクに近いと思います。グッズを適切に購入すれば、気持ちが高まり、早くこのペンライトを片手にコンサートに臨みたいという気持ちになります。それはワークショップも同じだと思います。

 

会場に入って、メインイベントに入るまでの間にどれだけ参加者の気持ちを高めれ、温められるかがアイスブレイクを成功させるポイントだと思います。

僕の中ではアイスブレイクは運動するために行うウォーミングアップです。

アイスブレイクを日本語に訳すと「アイスを壊す」となるので、少しマイナスなイメージがします。「ウォーミングアップ」にした方が、これから準備運動体、心、場を温めて、メインワークに移ろうという気持ちを作くりやすいと考えています。

 

さて、今回はアイスブレイクに対するジレンマを書いていきたいと思います。 

 

・ネタバレしてしまう言動

ワークショップへの参加が慣れてくると、アイスブレイクの経験値が上がり、どうしても「またこれやるのか〜」「これ面白くないんだよな」という苦渋な気持ちやネタがわかっている状態になったりしませんか?
 

例えば、ファシリテーターが「はい、これからアイスブレイクをして、参加者の緊張を和らげたり、場を和ませるような時間を少しとりたいと思います」と言った場合、私は「アイスブレイクをしなくてはならない」のかというネガティブな思考になり、ワクワク感がなくなります。

この理由は簡単で、「アイスブレイクをします」とファシリテーターが伝えてしまった瞬間に、ネタがバレてしまいます。なので、ファシリテーターは「これからメインのワークを理解するためにウォーミングアップをしていきます」と伝えれば、その場の参加者はどんなことをするのだろうとワクワクしませんか?

 

・アイスブレイクは絶対に必要なのでしょうか。

ワークショップはその場に参加する人、その場に来る人の属性を考えた上で、実行するべきだからです。

例えば、毎週のように、顔を合わせているメンバーにアイスブレイクは必要でしょうか?

すでに誰がどのような性格・個性なのかを知っていますし、ある程度関係が構築されているからです。そこにアイスブレイクを持ち込んだとしても、新しい気づきはあると思いますが、それを実行したからと言って、メインワークに良い影響を及ぼすことはないと思います。

 

もし全体が緊張している雰囲気であるのであれば、以下の3つはオススメです。

  • HHT(ハイパーハイタッチ:ハイパー元気よく、みんなでハイタッチするだけ。)
  • 逆さま自己紹介(単純に自分の名前を逆にいうだけ)
  • 赤ちゃん言葉で自己紹介(語尾を〜でちゅ。にして自己紹介)

上記3つは5分程度ででき、お互いに名前を知ることもできますし、非日常要素があるので、場の雰囲気は簡単に和みます。

 

・アイスブレイクが参加者(学習者)主体ではない。

このケースは非常に困ります。よくあるパターンですが、ファシリテーターは事前にワークショップを用意してきて、どうしてもワークを上手く終わらせたい、最後までやらせたい、最初をつまづきたくないという不安な気持ちを抱えながら、ファシリテーションを実行していると思いますが、これはたまに大きな事件を招きます。

 

本来10分で済むようなアイスブレイクに30分かけてしまったりして、参加者、会場の雰囲気の室温が適切な温度にならず、もやもや、違和感を感じて、せっかく準備運動したのに、7割が怪我して、メインワークに移りにくい状況になってしまいます。そのような状況に追われましたら、ファシリテーターの方は自分の気持ちを我慢して、中途半端に終わっても良いと思うので、"笑顔で終了の合図(愛図)”送ってあげるのも一つの手だと思います。

 

・オリジナル要素を入れよう

どうしても参加/企画していると同じワークを何度も見ます。そこに企画者のオリジナリティ、アレンジを一つは入れて見てはいかがでしょうか。それがあるかないかで、参加者側もお土産が増えるので嬉しいです。

 

ここまで、いろいろと書いてきましたが、「このワークをなぜやるか」ももちろん重要ですが、自分の中での「アイスブレイクの定義・意義」などを持っておくとより良いものが作れます。

参加者の属性を考え、「アイスブレイクは不要or必要か」を考えることはワークショップをデザインするために重要な観点だと思います。

【初心者向けに役立つアイスブレイクに関する書籍】

 

sugitakuworkshop.hatenablog.com