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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おすぎのジレンマ㉓】(年間)プログラムは必要か否か!?

プログラム。

   ↓

ある物事の進行状態についての計画や予定。予定表。

 

おすぎは、いわゆる「プログラム」をつくるのが大好きですし、プログラムがあるほうが安心します。

 

おすぎは、高校教員として授業はもちろん、各種業務でこのプログラムをつくります。学校ですので、年間単位、学期単位、月単位、週単位、日単位など、その業務に応じてスケジュール感は異なりますが、年間単位を基準に、細分化して作成をしてゆきます。

 

しかしながら、実は意外と学校という場においてこのプログラムがつくられない傾向にあります。いや、正確には説明責任を果たすためのプログラムが、授業であればシラバスという形でつくられるものの、実際には機能していないということがしばしば見受けられます。

もちろん、目の前の生徒の状況に合わせて、授業の進度や内容は変化をするものですし、当初計画をしたプログラムどおりにいかないことはよくわかります。

ただ、それにしてもプログラムどおりにいかない…そのような時におすぎはあまりに見立てが悪い、つまりきちんとしたプランニングができていないのでは?と疑問に感じることがあります。

 

さて、おすぎは専門科目である「日本史」、そして学校設定科目である「チーム作り講座」において、年間プログラム、学期ごとのプログラムをつくります。

そして、まさにこのプログラムをつくるために、特に2月から3月にかけて、1年のうちで最も授業について悩むこととなります。

まず、2月で前年度の授業が終わります。すると、そこで前年度の授業を振り返り、次年度どのように授業をブラッシュアップするかを考えます。そこから、3月にいよいよ次年度どのような授業をするか、ものすご~く悩むこととなります。

もちろん、これは授業以外の業務にもいえることですが、特に授業においてはいかにこの3月を上手に活用するかで、次年度の1年間が決まるといっても過言ではありません。

 

そして、4月において実際の目の前の生徒に出会って、一旦年間プログラムを見直すこととなります。あくまでプログラムは予定なので、4月中はお試し期間という意味合いも込めて、生徒からなるべくヒアリングをしながら、4月を乗り越えます。

そして、GWという前後で目の前の生徒に合わせた年間プログラム(改)を提示する、このような流れなんですね。

 

って、そんなことを当たり前にしているおすぎですが、学校では不思議がられます。

 

「なぜ、年間プログラムがたてられるの?」

「なぜ、年間プログラムどおりに進むの?」

 

よくこういう質問を受けますが、むしろおすぎからしたら、なぜプログラムをたてないか、またプログラムどおりにいかないのかが不思議で仕方がありません。

 

あえて、辛辣な表現をするのであれば、プログラムがたてられないのであれば、それは授業ではないのでは?と言いたくなることもありました。

 

しかし、そんな時学校という文化・風土が「積み上げ式」なんだということに気づき、それは当然年間プログラムをきちんとたてよう、そしてプログラムどおりに進めようなんていう気が起きないんだろうなぁと理解ができたのです。

 

おそらく一般企業ではゴールをきちんと定めて、そこに向かって何をしていくのか、つまり「逆向き式」にプログラムをたてていくことになるのだと思います。

ただ、学校では完全に「積み上げ式」です。ゴールを設定しているようで、きちんとしたゴールを設定することなく、コンテンツを積み上げていき、ゴールまで向かわなくてもプロセスを大事にします。

つまり、多くの学校は「結果よりも過程」を評価する傾向にあるのではないかなぁと。しかし、社会に出るともちろん「過程よりも結果」を評価するのは当然のことですよね。

 

そのようなわけで、「積み上げ式」と「逆向き式」、「結果よりも過程」と「過程よりも結果」という学校と社会の乖離が、このような現状を生み出していると私はある意味断言します!

 

さて、それではワークショップではどうでしょう?もちろん「逆向き式」で「過程よりも結果」が大切ですよね。

それでは、なぜそうならないのか?

シンプルにひとつ!それは、きちんとしたゴールが明確ではないからなんです。

ワークショップでも授業においても、「このようなものを身につけてほしい」「こういう力を本日は育成してほしい」これがきちんと考えられていれば、おのずと「逆向き式」で「過程よりも結果」になるはずなんです。

それがならない学校は、ある意味ゴールから逃げ、結果から目をそらし、そしてひいては目の前の生徒から逃亡しているんだと思います。

 

だから、私は声を大にして宣言します!プログラムは必要です。ただし、きちんとしたゴールを設定したプログラムを!

 

そんなワークショップをもっともっと増やしてもらいたいと思う反面、学校という場がきちんとそういう授業をしていれば、ワークショップ自体が必要ではなくなるのではないか…そうも思ったりします。

 

さて、みなさんどう思いますか?