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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おすぎのジレンマ⑳】何をやりたいかより誰とやりたいか。運営メンバーの作り方。

おすぎは2011年から「チーム作り講座」という学校設定科目を担当しています。

毎週土曜日の2時間連続で、コミュニケーション力や傾聴スキル、チームビルディングなどを学ぶ講座です。

詳細は、ぜひチーム作り講座HP

https://s-teamdesign.org/

でご覧いただきたいですが、これまでの8年間で目の前の生徒のみならず、多くの方にお越しいただき、ともに学び合い高め合っています。

さて、こちらの授業のコンセプトのひとつに「ナナメの関係の大切さ」というものがあります。

おすぎの勤務校は付属校のため、多くの卒業生が大学生や社会人になってからも訪れてくれます。そこで、それら大学生や社会人に「運営メンバー」として一緒に授業をつくってくれる同志を毎年募集しています。

そんな最初の運営メンバーがともにこの「ワークショップへのジレンマ」を書き連ねているおたくなわけですが、なんでおたくと一緒に何年間もチーム作り講座という授業をやってこれたのかなぁ、他の運営メンバーとはなぜ一緒に授業をやってこれたのかなぁと考えることがありました。

そして、おすぎは本当に素敵な運営メンバーに恵まれて、10年近くもチーム作り講座をやってこれましたが、ワークショップにおいて運営メンバーに恵まれず、ワークショップ自体が中止してしまったり、運営メンバーで分裂をして人間関係ゴチャゴチャになってしまったなんていうことを聞いたこともあります。

もちろん、私も別の研究会などではそういう経験をしたことがありますが、なぜかチーム作り講座では、とにかく素敵なメンバーに恵まれます。

では、その要因は一体何なのか?それを突き止めていった時、シンプルに

「何をやるか?」ではなく「誰とやるか?」なんだろうなぁと腑に落ちました。

よくビジネスの世界のチームビルディングでも「何をやるか?」よりも「誰とやるか?」が大切、だからチームの人選が大切と言われます。

そして、それは決して仲良しこよしの人選ではなく、目的を達成するために必要な人選ということです。

そういう意味で、おすぎにとっておたくは最高の人選でした。

こんなブログの場でいうのは変かもしれませんが、おすぎとおたくは真逆の人間です。チーム作り講座という授業がなければ、出会わなかったかもしれません。しかし、その真逆のふたりが出会い、お互い目標・目的が同じということを共有してからは、最高のパートナーとなりました。

そして、そこからおすぎは無意識にチーム作り講座にとって最適な運営メンバーを集めていたのだろうなぁと思います。また、運営メンバーのバランスも考えて学年や性別、性格などもかなり気をつかって人選をしていました。

このようにチーム作り講座の運営メンバーは「何をやるか?」ではなく「誰とやるか?」を無意識のうちに大切にしていたため、継続して安定した運営メンバー、ある意味「運命メンバー」をつくることができました。

 

しかし、ここでひとつ問題が生まれます。自分に人事権が無い、つまり誰とやるかはすでに決定している場合どうするかということです。

実は社会の場ではこういうことは往々にあります。ワークショップの場では比較的人事権はあるかもしれませんが、それでは「このメンバーと一緒にワークショップをつくって」と言われることもあるでしょう。

そういう時は、「何をやるか?」のほうを大切にして、そのメンバーで「何をやりたいか?」を共有していくことにより、解決していくと思います。

もちろん、一緒にやりたくないメンバーもいるかもしれません。しかし、同一の目的・目標を持つことにより、そのメンバーのチーム力はアップしていくはずです。

そして、そのような時に大事になることが傾聴スキルやコーチングスキルです。相手のことを尊重し、自分の価値観を脇に置いて対話をする、そのようにリレーションを築き上げていくことが、チーム力アップ、つまり素敵な運営メンバーを生み出す秘訣となっています。

 

人間、自分がやりたいと思った人だけと一緒に何かを為すことは簡単です。

しかし、それよりも大切なことは「どんな人とも相互承認をして、無意識に人の輪をツナグ」そう思う今日この頃です。