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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おすぎのジレンマ②】エセファシリテーターの存在⁉️質問という名の攻撃…

ファシリテーターファシリテーション、個人的にはとっても好きな言葉です。
私がこの言葉を知ったのは、今から6年前、勤務校の特色の一つである土曜講座(学校設定科目で2時間連続授業を)という枠で、チーム作り講座という授業を開講することになり、その時に同僚の先生に聞いたのがはじめてでした。
最初はこんな役割が存在することに驚き、そしてこれらを仕事にしている人たちがいるんだぁと興味津々でしたが、
今やだいぶ日常語として使われるようになってきて、嬉しくもあり、少しだけ「チッ」という気持ちがあります(笑)

さて、まず大前提を共有すると、私はファシリテーターに肯定的な考えを持っています。自分自身、ファシリテーターという役割を知って、
それまでの教師像がガラリと変わりましたし、これまで素敵なファシリテーターの方々にたくさん出会ってきました。
私自身、これからの教師というのは4つの視点を持つ必要があると考えています。それが以下の4つです。
①teacher ②facilitator ③coordinator ④navigator

ただ、だからこそ最近とってもイライラして、とっても悲しいことがありました。それが、エセファシリテーターの存在です。
おたくが示した定義のエセファシリテーターと、おすぎの考えているエセファシリテーターは異なります。
実は、私がエセファシリテーターの存在を認知し、そのエセファシリテーターに苦しめられたのは飲み会の場でした。
お酒が飲める飲めない関係なく、飲み会の場って個人的には好きです。もちろん、お酒に飲まれてしまったり、飲みすぎてよくわからない状況になってしまったら別ですが、やはりお酒を飲みつつ話すと、いつもより気兼ねなく、本音を話せることがあります。ある意味自然とアイスブレイクしているのかもしれませんね。
ただ、そういう時にいたんです!エセファシリテーターが…そのエセファシリテーターは、とにかく質問してきます。
私がどれだけ対話をしようと、一方的に質問だけ。こちらが質問をすると、質問返し…もう、質問という攻撃にやられまくりました。
確かに場を促進させようと、その人は私に質問してきました。ただ、私はキャッチボールをしたかったですし、その人の考えも知りたかったんです。

そして、最後に言われた言葉に正直唖然としました。
それが…「今日はファシリテーターに徹するから、ちゃんと質問に答えてね」

それって、ファシリテーターファシリテーションと言えるんですかね?
この数年、多くの素敵なファシリテーターに出会うと同時に、エセファシリテーターに出会うことも増えてきました。
そして、その方々に共通することとして、「やたら場の状況を見て質問をして、自分の意見は言わない(自分の意見を言わないことを美徳と感じている?)」ことが多いんです。
また、もう一つ私が考えるエセファシリテーターの方の特徴として「責任をとらない」ということがあります。一見、素敵な場をつくったり、その場を促進させます。ただ、「あとはみなさん次第です」なんていって、その場からいなくなったり、自分の存在(責任?)を消そうとする人がいます。私はそれって、本当にファシリテーターって言えるのかなぁと思います。
私が出会ってきた素敵なファシリテーターの方々は、きちんと対話をします。きちんと自分の考えも表明します。何より、その場、そこにいる方々に対して、きちんと責任感を持って接します。

それは、学校現場でも同じことが言えるのだと思います。近年、いわゆる「アクティブ(・)ラーニング」のブームで、教師が教えないことが良い、どんな場面でも生徒が主役が良いなんていうふうに捉えられることがあります。もちろん、究極論は教師が存在しないで、生徒が当事者意識を持った自立した学習者になることが望ましいかもしれません。ただ、みんながみんなそうではないんです!
そこで、ファシリテーターを気取るエセファシリテーターの存在で、学校教育も変な方向にいかないか正直心配です。

ファシリテーションはあくまでスキルです。そして、素敵なファシリテーターはそのスキルをきちんと活かしつつ、一人間としてのマインドを持った方だと思います。スキルだけに傾倒せずに、スキル✖︎マインドのバランスを大切に、そして何より目的と手段を混同しないで、素敵なファシリテーターが増えていってほしいと思います。また、エセファシリテーターのみなさんも、スキルは間違いなくあります。だからこそ、改めてなぜファシリテーションを学んだのか、そのファシリテーションをどのように活かすのか、自分自身に問い直してもらいたいなぁと思います。もちろん、これは自戒の意味も込めてですが…。

さて、次回はアイスブレイクについてつれづれなるままに述べたいと思います。