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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おたくのジレンマ⑩:ワークショップと現実のジレンマを紐解く】

ワークショップと現実は違うのは当たり前ですが、この体験が人の成長を支援することは間違いありません。なぜなら、10年かけて実践することを1日でできてしまうのが体験型・参加型学習の強みだからです。

最近ではプロジェクトマネジメントを学ぶためにゲーム、将来のビジョンをどう達成するかを描くために、レゴを使用するなど多種多様な手法で協同学習が行われています。
 

ただ忘れてはならないのはワークショップは万能薬ではないということです。どちらかという漢方のようなものです。着々と実践知をえることで、培った能力や技術を現実の世界で活かせるようになっていきます。積み重ねた結果、現実に活きてくるのではないでしょうか。
 

例えば、対人コミュニケーションに問題を抱えている方がいるとします。その方は初対面の方と話すことがどうやら苦手だそうです。それを克服するためにはどうすれば良いか日々悩んでいます。一方で、初対面の人が多くの集まる機会を創出することができないことも現実の課題です。職場?学校?日常の中にそのような場は基本的に存在しないのこの社会です。

 

ワークショップではこれらの問題を解決できます。「コミュニケーション力?」と聞くと定義は山ほどありますが、簡単にいえば、「相互の意見を理解し、信頼関係を自然と築ける人」と個人的には考えています。

対人能力に問題を抱えている人がそれらの問題を解決するために、良い話の聞き方、質問の仕方を学びました。仮想空間で自信をつけ、明日から現実で活かすぞ!と意気込み、明日から誰とでもうまくできるというのはそうではないありません。なぜなら自分の知識を知っている他者は基本的に存在しませんし、現実で起こりうる何万何千といううちのごく一部を仮想体験しただけだからです。

それではワークショップに参加する意味はないのでは?と思うかもしれません。

 

優秀な学習者はそのワークショップの体験を経験に落とし込む習慣があります。

体験したからできるでなく、体験したことを自分の言葉で理解し、現実でどういうことができる、どういう状況が共通、一般的に起こりうることなのかという想定し、自分なりに解釈している方が多いです。そんなことができる人はワークショップは不要なのです。そこで重要となるのがファシリテーターの集約し導く力です。

 

どんな場にいってもワークショップでは感想やこの場の雰囲気についてまとめる人が多いように思いますが、実際それは効果を出しません。

目的を理解しているファシリテーターであれば、今日起きたことを現実でどう生かすか、家に帰るまでできることなどをよくある事例などを上げます。

 

まとめると、ワークショップは誰でも企画できるようになり、誰でも参加しやすくなりました。それがゆえに諸刃の剣でもあります。成功体験を経験にできれば、それは現実でいきますが、それができなければただの無駄使いになります。

ワークショップは人を変化に導く良薬ではありますが、万能薬ではありません。ワークショップで見つけらるのは正解ではなく納得解である事をみんなに知っていただきたい。