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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おたくのジレンマ⑳】「彼らと仕事するのが楽しい」と言われる組織へ

どんな職場、メンバーにもそれぞれ長所、短所、相性など、チームに好影響、悪影響を及ぼす要因は必ず存在します。所属年数や立場によっては、向き合わなければならない問題、示させなければならない道があります。どんな職場にも一緒にいて、ワクワクする人も忘れてはなりません。この感情こそがどの組織でも重要なのではないでしょうか。

 

おたくはこれまでに、リーダー、参謀役、広報、会計など様々な立ち位置でワークショップを運営してきました。現在は専修大学附属高校のチームづくり講座の相談役として高校生向けの授業やワークショップの制作支援を行っています。かれこれ8年目になります。

私の場合、自分がどの状況にあろうと高いコミットメントと高い貢献力を示すことが私の一つの強みです。


おたくの哲学として、「心に残る授業を一つでも多く提供したい」という一つの思想があります。利他的に物事を考えていくと、立場はどうあれ、参加者の記憶に残る、好影響を与えるためにどうすれば良いのだろうと、頭の中で思考錯誤を繰り返してしまうので、結局はリーダーの相談役や逆にリーダーになったりしていることがおたくとしては多いです。(笑)

そんなおたくも過去にはリーダーとして、チームメンバーの態度や意識を巡っては運営メンバーから脱退してもらったことがあります。

 

運営メンバーの中には、居心地の良さや携わっていることに充足感を満たしている人がいます。そういう人は、このメンバーで他者に何かを提供すること以上に、このメンバーと一緒にいられる自分に満足していたり、自分の居場所にしていたりするので、主体性を持って、活動に入ってくれたりしません。

たとえ、何かを依頼した場合、口から出てくるのも「忙しい」「できませんでした」と基本的に自分中心の発言や「僕は頭よくないんで」「創造力がないんで」など言い訳が多くなります。あとは「所詮XXですから」と言う人は文句が多かったりするので、結構面倒です。

 

このような思考を持つメンバーはチーム全体の士気を下げる要因の一つなので、個人的には抜けてもらうことを示唆もしくは個別で話し合いをすることが重要なのではないかと考えています。またどんなに他の運営メンバーと良好な関係を築けていようが、"メンバー"と"友達"の境目をわけ、チームとして、接していかなければ、参加者の満足を得られるものを提供しにくくなりますので、勇気を持って、メンバーから脱退してもらうことを要求することは良いチームを作っていく上では必要なのではないかと考えています。

 

 

一方で運営メンバーと一緒に仕事をしていると潜在的能力が高い、やる気があるメンバーを育てる意識を持って取り組むこともチームを運営する上で重要な要素なのではないでしょうか。近年ではコーチングが流行ったことで、コーチングの手法を取り入れたり、とあるプロジェクトを積極的に任せてみるというようなことがあります。基本的にこれらは少し間違っていると思います。どちらも人が成長する上で必要なことですが、中途半端なホウーチング(放置+コーチング)となってしまい、望んでいる姿にはたどり着きません。

 

じゃあどうすれば?

人は基本的なティーチング(教え)+リーディング(導く)+フィードバック(助言)を受け、個人でリフレクション(内省)をするから良質な成長します。
またそこに適切なポジティブフィードバックと相互の信頼があるから、年齢関係なく自己と他者は尊重しあえ、ポジティブチームビルディングが発生します。

 

そういう組織にはだいたい、適切なサイクルを回せる仕組みを作れる人(チームビルダーないしチームグローワー)がいます。彼らは持続可能なチームを作るために、メンバーの成長を支援するために、メンバーの不満や不安に耳を傾け、承認し合い、任せ、助言し、徐々に一人一人を育てていきます。その結果、全員ではないですが、飛躍的な成長を遂げる、課題を克服する、主体性を持って取り組んでくれるメンバーが育ちます。

人によって、成長するスピードは異なるので、忍耐強く、丁寧に接していくことで、とあることをきっかけに思考が整理され、見違える人材になることもあるので、我慢強く、見守ってあげることをお勧めします。

 

現在世の中には様々な手法が存在しておりますが、組織というのは結局のところ、突き詰めるとどんな人と仕事をしようが、どんだけ良い人と仕事ができるかに尽きると思います。ロジックなど必要ですが、共感やエモーショナルな部分で、一緒にいて、楽しいだけでなく、「あいつと仕事するのが楽しい」と心が躍るようなワクワク感を得られるメンバーと一緒にいれば、ワークショップ作りも楽しくなるし、自信を持って、何かをできる、失敗しても明るい、そんな素敵な環境を作るためには、メンバーと友達を切り分け、成長できる支援を行ってあげることが、自己他者に満足感のある組織運営ができると信じています。