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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おたくのジレンマ⑯】違っていて当たり前、多様性と本音

オーストラリアに在住していると幾つか自然と考える話題があります、例えば国際結婚、VISA、宗教、食、文化、慣習、他言語、自分が日本人でありかつ、外国人であるということなど、日本で日常生活を送っているとあまり直面することのない問題に遭遇します。多様性(ダイバーシティ)を受け入れることは重要であり、この中で何が人と人との深いつながりを生み出しているのか、そこにある潜在的な価値とはなんなのかと考えさせられます。

 

まとめると多様性を構成する要素は

・人:人種、性別、性格、年齢などの慣習的な要素

・文化:宗教、倫理観、飲食、言語などの形成的な要素

・仕組み:教育、管理方法、規則、能力などの構成・相互作用的な要素

と多く分けると3つに分けられるのではないかと考えられます。

 

長らく海外で生活するようになってから、多様性とは恋愛に近しいものだなと。「価値観の違い」を受け入れられる心の余裕ができてくると、気づくことがあります。

よく価値観の相違が原因で恋人と別れる原因はとして「価値観の違い」が挙げられます。おそらく、恋人と過ごす中で、その違いを実感した瞬間や「自分とは価値観が合わない」と考える状況(金銭感覚、時間、結婚、優先順位のつけ方、自分の意見への理解など)があり、別れていく人が多いと思います。一つの問題として受け入れる土俵がないからなのかと。だからこそ土俵を作ってあげることがキャリア教育に求められている気がします。(笑)じゃあどうやって育成すれば良いのだろうか。

 
多様性の本質とは

最近、おすぎは「本音で語りたい」とよく口癖のように言っているのですが、まさにそれが本質だなと性別でも年齢でもなく、対等な立場で話せる関係性を作る。これは「視点」を変えることで、育成できるのではないかと個人的に思います。

 

それらを身につけるためには、違ったものの見方ができる場を作り、多様な人が集まる環境でいかに自己表現でき、本音で話し合える関係性を構築することが鍵なのかなと考えています。

 

「違っていて当たり前」を理解するためのM&Msアイスブレイク

これはおすぎと一緒にワークショップを作るようになってから、毎年のように実施しているネタなのですが、オススメです、少し費用はかかりますが、とても盛り上がります。なぜなら高校生はお菓子に目がない(笑)しかもチョコレートを食すと精神的・肉体的にも活動的になるとか。

手順は

    1. M&Msを人数分用意し、参加者一人ひとりにA4用紙とM&Msを配布します。
    2. ファシリテーターはM&Msを開けるよう指示します。
    3. チョコレートをA4用紙の上に20個〜30個おきます。
    4. ファシリテーターはテーマを伝え、参加者に作ってもらいます。
      テーマは
       ・「いえ」を作ってください
       ・「自身のコミュニケーションの取り方」
       ・「この授業に期待すること」とか
      自由に設定します。
      *時間は1分くらい
    5. 終了後、作業をやめ、各々がどんな表現をしたかを確認します。
    6. ファシリテーターは数名にインタビューするなどし、その作品の意図などを聞きます。
    7. これを3ラウンドくらい行い終了となります

多様な視点」が学習者の中に入ると、A以外に、BやC、その他の視点が出てきます。「いえ」と聞いたので、家を作らなければならないと思っていたが、人によっては英語で表記、字体で表現する。多様な視点、それを受け入れることの重要性を受け入れられる土俵を作っていくのがキャリア教育支援の1つの役割であるのではないでしょうか。


現実に置き換えると問題や短所に目を向けるのではなく、「あの人/あの行為は、私たちにどんな貢献をしてくれているのだろう?」とチャレンジ/ポジティブな課題に設定すれば、視点は変わりますよね。

 

キャリア教育で必要な多様性とは

個人的には「違っていて当たり前」ということを知る機会を提供してあげるのが一つの鍵なのかと思います。人間は誰しもが親密な関係や自分を必要としてくれる関係性を求める傾向があります。しかし、一方で自身のコミュニケーション方法に悩みを抱えています。関係を構築するにもその取り方ひとつで人を傷をつけてしまう、または自分を否定されたくない、人に嫌われたくないなどネガティブな感情、自分の身を安全な場所に置いておきたいという保護もあります。だからこそ、まずその一歩として、感覚ではなく、実際に受け入れる状況を作ってあげる必要があるのかなと思います。