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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おたくのジレンマ⑥ワークショップにホワイトボードや付箋は必要不可欠なのか】

ファシリテーターや企画者は参加者のアイデアをまとめるため、まとめたものを参加者に共有しやすくするために幾つか備品を用意します。

例えば、付箋、模造紙、音楽、テーブル、椅子、ホワイドボード、えんたくんなどがありますが、これらの道具は正直必要なのでしょうか。

正直、必要不可欠でないと思います。もちろん、ワークショップの目的にもよりますが。

 

会場に訪れると、テーブルの上には模造紙とカラフルなマッキー(黄色以外)が置いてありますが、それを見た瞬間に、「またグループでブレストをしなくてはならないのか」、と考えてしまうことがあります。もちろん、道具があることで、提示されたワークのお題を解決するためのアイデアを出しやすくなったり、グループ内のディスカッションをまとめやすくできるのは事実です。

 

その場に具体的な目標があれば、ファシリテーターがその目標を達成するために、用意された台本を元にその場を推進し、その場に集まった学習者をナビゲートしたり、コー

チングをして導いてくれます。

 

 

 

しかし、それらを頼りにしていると、潜在的に身につけれるスキルの習得を機械的に損失させてしまっているのではないでしょうか。

 

もしワークショップの場に用意されたものが、「人と場所のみ」であれば、そこでは新しく学ベるものがあるのではないでしょうか。僕は以前、ファシリテーターとして、「暗黙」「沈黙」を合わせたワークショップを実施したことがあります、これはスクリーンに映された光と文字のみで、参加者に説明し、ワークを実施していただきました。

 

僕の立場から見た参加者の様子は、「危機感」「好奇心」が混じり合いながら、「自分をどう表現すれば良いのか」「どう自分が行動すれば良いのか」ということを短い時間で必死に表現する姿が見えました。そしてこの「暗黙」「沈黙」を解いた後の参加者の声には「疲れた」「普段使ったことがないスキルを使った」という声をいただきました。実際、僕も物凄くしんどかったです。人の行動を制御することの辛さ、自分がスライド記載した文章が伝わっているのかと不安でいっぱいで、冷や汗、脇汗がすごかったです。それ以上に空間の熱気が凄く、充実した時間を得られたのは間違えないです。

 

そこから考えられることは、具体的な目標があるワークショップは身につけれられるスキルが明確ですが、一方で潜在的なスキルを引き出すことはできないのだとうことです。模造紙や付箋を使うことは慣れている人からすれば、スキル開発は進みません。

今ではワークショップはマニュアル化されてしまい、それに従えばある程度は価値がある時間を誰も作れるようになってきましたが、そのマニュアルが進化を止めている可能性もあるのではないでしょうか。

 

ワークショップには時間を割いて来ていただいているので、標準的な価値と同時に希少価値を少しで提供できるようになることが重要なのでないでしょうか。

 

ワークショップにおける一般的な道具はブレストを促進、アイデアをまとめやすくするための道具でしかないと思います。それは企画者、ファシリテーターのエゴでもあります。「こうした方がうまくいく」という考えはとても重要ですが、自身のワークショップに新しいスパイスを入れるための実験は必要だと思います。

 

一度身についたこの感覚はそう簡単には落ちませんが、自分の内に秘めた悩み、潜在的なスキルを見出せしてあげられるような場は参加者に新しい価値を提供できると思います。

ワークショップでの目標はどうしてもスキルになりがちですが、マインドの開発というものを設定して、何かを実践するのはありなのではないでしょうか。

もしかしたら、スキルとマインド、二つの目標を設定することが、良いワークショップを生む可能性が今後あるのではないかと思います。

 

大胆にいつも使用している道具をなくす発想は一つの考えとして重要なのではないかと思います。

 

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