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ワークショップへのジレンマ

おたくとおすぎが杉並区にある私立高校で実践して得た知識・知恵を書いています。

【おすぎのジレンマ⑬時は金なり、ワークショップも金なり!?】

おすぎは2018年年男、48歳に間違えられたこともありますが(笑)、今年で36歳となります。おかげさまで、一日三食、住むところにも困っていない独身貴族ですが、将来のことを考えると節約をしないといけないなぁと思うことがあります。

なるべく外食を控えたり、これまでは後先考えず散財していましたが、やはりそういうわけにもいかなくなっていきます。そして、何より一日24時間という限られた時間の中で何を成せるのかと考えた時、改めて「時は金なり」と実感させられています。

 

でも…思うんです。

「時は金なり」はもちろんのことながら、「ワークショップも金なり」だなぁと。

私はワークショップにおいて運営者側も参加者側も何度となく経験しています。

まず、参加者側としては、ワークショップにおける参加費がどう設定されているんだろうなぁと悩むことがあります。無料のものもあれば、ワンコイン、はたまた数万円いくようなものも…もちろん自分が参加したい!と思えば、無料どころか数万円でも納得して参加します。

ただ、この参加費とワークショップの満足度が決して比例することがないんですよね(笑)参加費用が高いからといって、満足度が高いわけではない。もちろん、どんな場でも同じことが言えると思いますが、ワークショップについてはその差が本当にあるなぁと思います。

では、なぜそんなことが起きるのか?

それは、運営者側のほうの要因が大きいかと思います。

私は運営者側としては、極力参加費を下げて、儲けゼロ、場合によっては赤字覚悟で場をつくっています。それは、私自身が「ひとりでも多くの人に私がかかわる場を体感してもらいたい」そのような思いから、参加費を下げています。もちろん、赤字覚悟ができる独身貴族という背景もありますが。

ただし、私が講師として呼ばれてワークショップをやらせていただく場合、その主催者によってはかなりの参加費を取るケースもあります。

でも、それも当然ですよね。むしろ、一般的にはタダ働きをするわけにはいきませんので、講師料や備品費用、会場費など経費については赤字覚悟であってはいけないと正直思います。

では、一体何が問題なのか?それは、各ワークショップが適正価格なのか?ということなんです。

もちろん、それは運営者側の意図、参加者側のねらいによって変化すると思います。でも、どうも適正価格ではないワークショップが乱立しているのも事実です。もちろん、運営側は参加者のドタキャンなども踏まえて、価格を高めに設定していることもあるかと思います。

また、あるプロのファシリテーターの方に言わせると、「価格=自分の場への評価」だから、高いほうが良い!と仰る方もいます。それもプロとしては当然だと感じます。

しかし、私はワークショップという場こそ、その場、その場の目的に応じて、運営者側、参加者側が納得のいく「価格」で生み出されることが大事なのではないかと思います。

場合によっては、最低価格(諸経費でかかるコスト)のみを設定しておいて、満足度に応じて費用を変えるなんてことがあっても良いのかなと。

 

以上を踏まえて、おすぎが言いたいこと…それは「持続可能なワークショップの場」を創造していきたいということです。運営者側も赤字になって無理することなく、また利益追求に走らない、参加者側も納得のいく費用を支払う、双方にとってwin-winの関係でいられ、なおかつそれが細く長く続いていく、そんな場が自然発生的に生まれることが良いのかなぁと感じています。そして、それが変なしがらみにしばられないワークショップであるならば実現可能なのかなと感じています。

 

そもそも、近年ワークショップの目的が失われているような気がしています。

今一度、ワークショップとは何なのか?

それを運営者側、参加者側が見定めることがこの“ワークショップ乱立社会”を生き抜ける鍵なのではないでしょうか。

【おたくのジレンマ⑫】学校をプラットホームとした地域づくりを目指して

新年あけましておめでとうございます、2018年も本ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 

今年は年齢が30歳を迎える年となることもあり、これまでの「軌跡を何かしらのカタチや結果に残せる年にします」。2017年からこのブログをおすぎと進めてきているブログも試運転が終わり、今年はより良いものをさらに読者に届けられるように精進していきます。

 

昨日、年納めということもあり、このブログの共同運営者であるおすぎとの出会いの回想や過去の資料等を読み、思い返していました。

 

ひとつ興味深いのは「全く母校に帰る気がなかった人間(おたく)」と「この講座の授業へのやる気がなかった人間(おすぎ)」が0から「チーム作り講座」という授業を6年以上も一緒に創りあげていることでした。縁というもの不思議ですね。笑

二人の共通点はおそらく根本的に「学校をもっとおもしろい場にしたい」ということかと。

 

僕がなぜこの講座に関わることになったかというと、同年代でキャリアを築いたり、地域や大学生との連携が今後の教育現場での鍵になるということを確信していたからです。簡単に言えば、学校をプラットホーム化したいんです。

 

もともと教員と教員志望者をつなぐイベントを主催していて、ワークショップという手法を用いて、毎月のように対話型のイベントや大学の教員養成課程では学べないプログラムを提供していました。これを早期の段階で提供すれば、効果的ではないかという考えから、何人か知り合いに相談していたところ、たまたま母校を紹介してもらったことをキッカケに卒業以来、私は2011年の夏休みに母校に訪れることになりました。

 

そこからおたくとおすぎの高校生向けのワークショップの軌跡がスタートし、全くタイプの違う二人がこの授業を作り上げていきます。

 

当時は全国的にこのような授業を実践している方は少なく、手探りをしながら、トライアンドエラーをしながら進めて行きました。

 

ワークショップは基本的には3時間以上のものが多いですが、教育現場では50分、100分と通常と比べて非常に短いので、何をやるにも「どうすればできるだろう」「どう理解させるか」の連続でした。お互いのマインドが「常に改善したい」「面白いことが好き」「チャレンジ精神」ということがマッチしたこともあり、良いものを提供してきました。

 

もともとは、当講座の目標は「全員がファシリテーターになる」ということから始まった講座も現在は「場を創り、場に価値を」というコンセプトをベースとしたプログラムを毎年、大学生のサポーター、プロフェッショナルな社会人、地域、非営利団体などから多くの支援、連携を受けたり、講演や研究等も行いながら推進しています。

 

2018年はこの軌跡を辿る中で得た実践値を教育現場で同様のこと実践したい方に向けて、情報を提供したいと考えています。
今後も学校をプラットホームとした地域との連携を軸に素敵な場を提供し、10年後、20年後を見据えたプログラムやコミュニティを創れるよう精進していきますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

【おすぎのジレンマ⑫2018年の抱負からの…おたくとおすぎの出会い】

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

現在、2018年1月1日(月)元旦、ニューイヤー駅伝が始まる前に、新年初走りをし、年賀状をチェックし、ある意味2018年最初の仕事がこのブログになります。

2018年の抱負は「無意識にツナグ」です。

実は、おすぎは2017年人生初の健康診断にひっかかり、結果的に15kgのダイエットに成功しました。その過程で意識したのが「セルフマネジメント」と「相互承認」でした。この数年、「マネジメント」という言葉をやたらめったら使っていましたが、自分自身が不健康な生活を送っていたら、全然説得力がないんじゃないかと!そして、またさまざまな方々とかかわる中で、とにかく相互承認を大切に、自分以外の方々を尊敬し、認める姿勢を意識してやってゆきました。

その甲斐あって、非常に有意義かつクリエイティブな一年を送ることができました。

そして、2018年は2017年の経験を受け、自分自身だけがマネジメントをするのではなく、もっと広い視野、つまりチームマネジメントに力を注いでいきたいなと。さらに、相互承認を世代を問わず、もっと多くの方々としていきたいなと。

そして、それらを象徴する言葉が「ツナグ」なのかと思い、それらを意識して実行するのではなく、ある意味習慣化するように「無意識にツナグ」を2018年の抱負にしたいと思います。無意識にマネジメントと相互承認ができる30代…結構カッコ良くないですかね(笑)!?

 

さて、今回はこのブログがスタートするきっかけ、そしてなぜおたくとおすぎがこんなことをはじめたのか…ふたりの馴れ初め(笑)なんかも交えつつ、つれづれなるままに書き連ねておこうかと思います。

2017年からスタートしたこのブログですが、発端はおたくと約1年ぶりに再会した6/20の明大前駅の焼き鳥屋さんでの会話から生まれたものでした。月に2回、おたくとおすぎでワークショップを軸に、これまでの経験などを踏まえつつ、お互いの立場でどんどんアウトプットしていこうという偶発的なスタートでした。

しかし、ここまで全12回、ふたりの書き手がいるとそれだけで倍の24回になるわけですから、なかなか面白い読み物になってきたなぁという手応えがあります。

ゆくゆくは書籍化なんかしたいなぁと思いつつ、今はひとまずどんどん書きためているというのが正直なところです。

さて、そんなおたくとおすぎが出会ったのは、2011年でした。出会うきっかけとなったのは、ふたりが長年つくりあげることになる「チーム作り講座」という学校設定科目の授業でした。某都内私立高校のウリの一つとして、「土曜講座」という50分×2で1コマの授業があります。イメージとしては総合学習に近いと考えてもらえばわかりやすいのかなぁと思いますが、その授業でおすぎと同僚の先生で生み出した授業でした。

しかし、まぁ、当初おすぎはその授業にやる気がない(笑)

理由は明確で…

①本当はおすぎがメインでやってみたかったことを同僚の先生がメインでやることへのいら立ち(笑)

②①とはいっても、自分がメインでやれるだけの知識やスキルがないことの焦り

③その年は授業が4種類(日本史2年、3年に別の総合学習にチーム作り講座)で単純にゆとりがない

そんな理由から、モヤモヤした気持ちを抱えたままその授業にかかわっていました。今思うと、本当に情けないなぁと思います。

そして、その授業にあるきっかけで見学に来てくれたのがおたくでした。

ただ、最初に会った時に、まさかおたくとこんな長い付き合い、まさに同志となれるとは思ってもいませんでした。

2011年のチーム作り講座では、特におたくとおすぎは深い関わりがあるわけでもなく、一授業担当者とそこに何度か来てくれて関わってくれた卒業生という位置づけでした。

しかし、翌年、学内の事情から同僚の先生とおすぎのふたりでチーム作り講座を担当できなくなりました。まぁ、簡単に言うと教務的にコマ組みが大変という、非常に残念な理由でしたが、ピンチはチャンスということで、高3対象に「チーム・組織を考える」という授業を同僚の先生が担当し、「チーム作り講座」をおすぎが担当することとなりました。今思うと、正直同僚の先生がある意味おすぎのためにその授業を開講してくれて引き渡してくれたのかなぁと、同僚の先生に感謝することしかできませんが、いよいよおすぎプレゼンツの「チーム作り講座」が幕を開けることとなりました。

おすぎにとっては、ついにやりたいことがメインでやれる!そんな思いでいっぱいでしたが、如何せん2011年の関わり方では良くない…まさに不安しかありませんでした。

そんな中、おたくが「チーム作り講座」をサポートしてくれると言ったのです。

おたくはてっきり、同僚の先生と一緒に授業を創るのかなぁと考えていましたが、おたくはおすぎと一緒を選んでくれたのです。

そして、そこからおすぎとおたくは2016年の5月まで5年間以上もともに授業をつくることとなります。そして、おたくが自分自身の成長のために、海外への留学をして、約1年ぶりに再会した2017年6月にこのブログがはじまったのでした。

 

おたくとおすぎの夢、いやおすぎの夢は「学校をつくる」ことです。そして、おすぎはおたくと一緒に学校をつくりたいんです。

このブログもその夢を叶えるための過程に過ぎないと考えています。

でも、おたくとおすぎはいずれ絶対に学校をつくっています。

その学校ができた時、ある意味恥ずかしがりながら、このブログを読んでいるようになりたいなぁと思う、2018年元旦です。

 

本年も、ワークショップへのジレンマをどうぞよろしくお願いいたします。

【おたくのジレンマ⑪ワークショップをどのように評価する?】

ワークショップの評価をどのようにされていますか?と聞かれることがあります。

ワークショップを主催をすると、参加者からどんな評価を得たか気になりませんか?今回の参加者は何が評価され、何を改善した方が良いのかを知ることはワークショップの改善につながります。一方で、時間超過により、アンケートに割く時間が十分になく、幾つか曖昧な形で評価されたり、参加者が途中退席/参加など評価をしづらい時もあります。 

 

最近、個人的に感じているのは満足感や楽しさなどでワークショップを評価するのには限界があるのではないでしょうか。どのワークショップも基本的に面白いですからね。笑


じゃあ、評価はどのように作れば良いのか?

順序としては

 

・何段階評価を決める

・どの部分を評価されたいのか

・一定期間、同じ基準で評価する

 

基本的に評価は主観的です、人それぞれのこれまでに培った勘、経験によるものが多いです。しかし、何らかの基準を設けなければ、参加者は評価を下すこともできないですし、企画者は評価も得られません。別に評価が欲しくない人はアンケート紙を作らなければ良いだけです。笑

おそらく、評価には何らかの基準を設定します。まず最低限,何段階評価かなのかを示します。

評価の段階には10段階、4段階などがあり,また少ない数字がよいということもあります.

 

次に,ワークショップのどの部分について評価しているのかという視点を明確にします。

 

一口に「よいワークショップ」と言っても独自性がいいのか,内容がいいのか,場の雰囲気がいいのかなど目の付け所によってさまざまです.そのため複数の項目を作って評価するという方法もあります.

単一の項目で評価するならば,どの点に重点をおいているのか明記するべきだと思います.


例えば、

・独自性(オリジナリティーや新規性があるか)

・ルールやワークへの理解(ワークのルールが複雑じゃないか、わかりやすいか)

・相互作用(対話を通じて、お互いに影響し合えたか)

・場への配慮(ファシリテーターの介入など)

など

 

最後に一度設定したら何度か同じ基準で評価できるようにします。

数字だけで内容がはっきりしないと,基準がものさしの役目を果たしません。

ワークショップを評価するときに,前に作っておいた点数とその意味の対応を確認してから評価します。

 

とまあ、こんな感じに評価基準を儲けることはできます。個人的には評価するのは難しいと思いますが、評価してほしいポイントと目的を照らし合わせて、アンケート用紙を作るのは重要なのでなはないでしょうか。

 

それと、経験上、ワークショップの評価は実践者ほど、起きていることではなく、ファシリテーターを評価している傾向がありますので、ワークショップをじっくりと見つめ、純粋な気持ちで参加し、評価することは重要だと思います。

【おすぎのジレンマ⑪:ワークショップは評価できるのか?】

 

最近、“エビデンス”に基づく評価・教育なんてこと、よく耳にしませんか?

エビデンスとは、証拠・根拠、証言、形跡などを意味する英単語evidenceに由来する外来の日本語だそうです。

以下のサイトには、エビデンスに基づく教育についてよく述べられているので、ぜひご覧いただきたいなと思います。

「エビデンスに基づく教育」とは | その他・全般の学習指導案・授業案・教材 | EDUPEDIA(エデュペディア) 小学校 学習指導案・授業案・教材

さて、私は高校教員であるため、KKOで教員をしている先生によく出会います。

KKOって!?気になりますよね(笑)

そう、学校の先生あるある、まさにこの「先生の3要素」(学力の3要素にかけています(笑))をすべて持つ先生が極めて多い!これは決して悪口ではなく、事実としてきちんと受け止めておくべく述べておきたいと思います。

さて、そのKKOとは…

 

K→勘

K→経験

O→思い込み

 

まぁ、この3要素でお仕事されている方が多いんです(笑)

多くの先生は、この3要素をしっかり兼ね備えている。もう、素敵なくらい。

特にOについては、桁違いのパラメーター、某ドラ●エみたいなRPGならレベル99,今風にいうとチート的なパラメーターを有している方も少なくありません(笑)

 

さて、あえて学校でのKKOについてお話しましたが、実はワークショップにおいてもKKOで場をつくられたりする方って少なくないのかなぁと感じています。

もちろん、KKOの要素は時には大事なことでもあります。

しかし、果たしてこれらの要素だけでつくられた場がどうなるのか…そして本日のテーマにようやくたどりつきたいと思いますが、そういったKKOでつくられた場がきちんと評価できるのか?そのジレンマについて述べていきたいと思います。

 

私もワークショップを運営する側を何度も経験したことがあるからこそ、評価はとても気になります。ワークショップの最後にお願いするアンケートや振り返りシートなどはもちろん、ワークショップ後の懇親会で感想を伺ったり、その後のメールでのやりとりなどで正直な思いを聞いたりして、次につなげようとしています。

しかし、これらの評価っていわゆるエビデンスにもとづいたものになっているんでしょうかね?ワークショップのコンテンツ自体はもちろん、アンケートや振り返りシートの項目ひとつひとつから相当練り込まないと、きちんとした評価にはつながらないと思います。

また、教育現場以上にワークショップという場における評価は、運営側と参加者側で相当異なるものではないかと思います。

運営側の評価としては、集客や満足度、次回につながる気づきなどが評価項目としてあがるかと。

一方、参加者側の評価としては、満足度はもちろん、その後のつながりや学びの度合いなどまた運営側とは似ているようで似ていなかなと。

一日3万円のワークショップと、無料のワークショップ…3万円のワークショップのほうが価値がありそうですが、決してそんなこともないかと思います。

 

さて、ここまで述べてきてひとつまとめておきたいことは、ワークショップにおける評価はもちろん、教育現場、またそれ以外の場においても評価というものに完全なる客観的評価は非常に難しいということです。

正直、評価って主観的だし、ワガコトだなぁと。

ただ、だからこそ運営側も参加者側もきちんと“ねらい(目的)”を明確にして、それを運営側と参加者側で共有する、そのうえできちんと、またなるべく客観的評価もしつつ、お互いが次につなげることが大切なのではないかと思います。

もちろん、なるべくエビデンスはしっかりとして、ワークショップをつくることは大切です。ただ、時にはKKOでつくっても良いんです。

きっと、それが許されるのがワークショップという場なのではないかなと。

 

なんでもかんでも評価…そんなことにしばられずにある意味自由にわがままに、そんな場も良いと思います。そして、それに参加するかどうか決めるのは参加者の自由なんですから。

ただ、私自身がひとつだけ心がけているのは、運営側にとっても参加者側にとっても

“すてきな場”なのかどうか?

それが、おすぎのワークショップにおける唯一無二の評価基準です。